ズーラシア
さて、日本の寒さにじっとしていることが多い動物たちの中で、唯一スゴイ動きをしていたのがホッキョクグマ。ずーっと左右に首を振りつづけ、後ずさったり、前進したり・・・脳に虫でも入ったんじゃないかと思わせるぐらいの怪しい動き。
今回は写真ではこの動きは伝えきれない!と、動画を撮ってみました。クマの写真をクリックすると、別ウインドウが開きます。(要:Flash player)
このホッキョクグマがいる亜寒帯の森というエリアには、2つ気になるモノがあった。
一つは亜寒帯の森林と原野を体感しながらトレッキングができる「アラースの谷」。状態が良くなかったからか、残念ながら入ることができなかったが、ムーミンでも住んでいそうな雰囲気。
もう一つは「ウォークインバードケージ」。巨大なケージの中に鳥が放し飼いにされていて、そこを歩いて通り抜けられるというところ。つつかれたり、フンが落ちてきたりしそうで、そんな怖いところには絶対に入りたくなかったので遠くから見ただけ。
このエリアは鳥が多くて、スズメがケージの隙間から潜り込んでエサを食べていた。
さて、お待ちかねのオカピを目前にして、もう一つ見たかった金絲猴(キンシコウ)の登場である。孫悟空のモデルになったとも言われるキンシコウは、中国・四川の高山の森に生息する猿。青い顔にオレンジの混じった金色の体毛で、オカピと同じくワシントン条約のレッドデータブックに絶滅危機種として登録されている。
とはいえ、この写真じゃ全然分かりませんね。気になる人は自分で見てください。
ちなみに剥製なら「きしわだ自然資料館」(大阪府岸和田市)に、日本有数の剥製コレクションを持つ「東洋剥製博物館」から寄贈されたキンシコウがいるはず。オカピも一緒らしいので、以前からいつかここにも行ってみたいと思っている。
そしてやーっとお目当てのオカピである。剥製でさえ見ることの出来なかった珍獣は、思っていたよりもでかい!!!
アフリカ・ザイール地方に生息するという偶蹄目キリン科の動物。キリンの祖先とも言われているそうだが、首は長くなくてカラダにはシマウマのような模様があり、お尻から後ろ足にかけてはそれが顕著である。ビロードの珍獣とも言われるぐらい、毛並みは絶品。
もう少し小さい動物だったら、触ってみたかった。寒さのためか特別閲覧という形で、柵がジャマで写真は上手く撮れなかったけど、満足。
ところで、アフリカの動物が日本の寒空の下で生活するのはやはり大変だと思うが、繁殖に成功しているというのだから驚きである。
オカピで満足した後は、日本の山里ゾーン。ツルとかタヌキなんかがいて、最後にはニホンザル。ここにある説明板にTさんが反応した。キーワードは「いんのう」。
すっかりズーラシアの雰囲気に慣れ、更にオカピで満足してしまった自分には全然目に入っていなかったのだが、よくよく考えるとスゴイ説明だ。「いんのう」。大人でもなかなか「いんのう」と言う人は少ないと思う。
この「いんのう」という言葉は、小・中学生は理解できるのだろうか・・・?ということで家にあった国語辞典を引いてみると、なんと載っていない!陰茎はあるけれど、陰嚢はない。和英辞典にはちゃんと載っていた。でも英単語を知りたい訳ではない。
ああ、頭の中にずーっとこびり付いていた「オカピ」が離れた後には「いんのう」が収まる結果となってしまった。恐るべしズーラシア。
しかし、ズーラシアは動物園なのに、動物園らしくない感じがする。なんかカッコイイのだ。
自分の中でまともな都道府県日本一は神奈川県だ。
なかなかどうして遊ぶところはたくさんあるものの、ヘンに観光客に媚びたりせずにまともなのである。かといって、自己主張のようなものも感じられず、独自のスタイルでカッコよく存在している。
と、誉めすぎても何なのだが、ダメだなーと思わせる要素が少ない。
実は、神奈川県は日本じゃないのかもしれない。 だから、オカピのようなアフリカの絶滅危機種が繁殖できるのだ。神奈川県の子供は「いんのう」が何だか理解できるのだ。自分の中では勝手にそう思うことにする。