横浜税関資料展示室
お蔵出し第1弾。2004年2月に訪れたものの、何故か更新してなかった横浜税関庁舎にある税関資料展示室であーる。
今回ご紹介する気になったのは「横浜三塔物語」なるパスネットが限定販売というポスターを見かけ、急に思い出したからだ。
開港の歴史というぐらい港町というのは昔から栄えるもので、山下公園のある港付近はどことなく異国情緒のある洒落た建物が多い。
そんな中、青緑色のドームが目を引く「クイーンの塔」と呼ばれる建物が横浜税関庁舎。クイーンがいれば、キングがいてジャックもいる。「キングの塔」は神奈川県庁、「ジャックの塔」は横浜市開港記念会館。横浜税関庁舎の「クイーンの塔」とあわせて「横浜三塔」と呼ばれているそうだ。
冒頭に書いた「横浜三塔物語」パスネットのポスターには『巷の噂では、この三塔が同時に見えるスポット3ヶ所をめぐると「願いがかなう」とか。』と書かれていた。
とかってなんだよ。・・・ま、噂ということで。
初代庁舎ができたのは明治6年。その10年後に二代目庁舎が完成し、関東大震災により大正12年に倒壊。昭和9年に現在の「クイーンの塔」のカタチで建てられ、平成15年に全館改装した現庁舎が誕生した。資料展示室は、平成元年より一般見学自由となっている。
いざ、入口へ。
税関のイメージキャラクターである、カスタム君が左右でお出迎え。カスタム君のモチーフは麻薬探知犬だ。誕生日は税関記念日の11月28日と徹底している。
「ゆるキャラ大図鑑」 (みうらじゅん・著)には東京都のキャラとして紹介されているが、もともとは横浜税関でのPR活動で人気を呼び、日本全国の税関イメージキャラクターになった。そして、2代目が出来たことで初代は古巣である横浜税関に戻っているのだ。
税関の前身は長崎、神奈川、函館の港にあった「運上所」で、輸入出物の監督、税金の徴収などを行っていた。
現在では財務省の地方支分部局として函館、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司、長崎、沖縄と、9つの税関が設置されている。
大日本帝国って感じがバリバリ伝わってくるような人々は横浜税関の歴代税関長。
税関の仕事っぷりを説明するパネルには、カスタム君が大活躍。それにしても、内部の展示はとってもハイテクだ。が、ハッキリ言って面白くない。
やはり税関でイメージするのは、空港の通関窓口。日本に持ち込む際に税金がかかるモノや、持ち込んではいけないモノをカスタム君がクンクンと嗅ぎ回っていたり、職員が目を光らせてチェックしているワケだ。
ということで、国内に持ち込んではいけないモノ(麻薬、拳銃の類、ブランド品のニセモノ、ワシントン条約で保護されている動植物、猥褻とみなされるもの等々)は通関で摘発され、所持していた人は任意放棄することになる。
そんな「放棄」されたモノの数々がずらーっと展示されているのだが、これは見ていて結構楽しい。
麻薬コーナーは、コンテナの中に隠してあったのを再現したり、ドラッグを床の下に入れガラス張りで展示したり、ライトアップも綺麗でとにかく凝ってます。
もちろん、展示してあるのはニセモノなんだろうけど。
唐突に思い出したのが、当chowchowメンバーTさんのお父様の話。
ウン十年前のこと。Tさんのお父様は、樽の中に入った人形を持ち上げるとチンコがぴょーんと飛び出る「チンコ飛び出し人形」を旅行先で見つけ、日本で売ろうと大量に購入して持ち帰ったそうだ。ところが通関の際にでストップをかけられ、飛び出すチンコが猥褻と見なされたのか、人形達は全員チンコをとられニューハーフになって戻されたという。合掌。
と、チンコの話題を出しましたが、ポルノ系の任意放棄した品物は一切展示されてません。
左側のバック、カッコイイけど、ちょっと悪趣味か
きらびやかなブランドコーナー。って、全部ニセモノ
意外にも貴重な動物の剥製が税関資料展示室で見られる
「運上所」を再現したコーナー。
マネキンがファッション用なので、顔と衣装がとってもミスマッチ。
こんなところにも、通りを見つめるカスタム君が・・・。と思ったら、閉館時間が迫っていたので入口にいた小さいカスタム君がしまわれていたのだった。個人的には「ゆるくないキャラ」です。カスタム君。
平日の午後。先客はサラリーマン風なオジサンが2人。一人は熱心に麻薬コーナーに見入り、もう一人は備え付けのパソコンで横浜税関のホームページで採用情報をチェックしていた。
税関資料室、楽しみ方は人それぞれ。
横浜以外でも資料展示室を備えている税関があるので、うっかり持ち込んで任意放棄なんてことにならないように、海外旅行の前に訪れてみるのも興味深いかも。