うすさま明王堂

うすさま明王堂

観光地に看板あり。旅館・ホテルの案内看板から、とにかく怪しげなものまで・・・行く先々に出てくる看板。VOWほどではありませんが「何、これ?」と思わせる看板が多いのが、伊豆。とにかく伊豆。

初冬のある日、「土肥金山」及び修善寺にある「伊豆極楽苑」をターゲットにしていた自分は、そこへ向かう途中に赤の地に白文字で「東司(便所)の守護神」と書かれた看板を発見する。おー、やはり伊豆。ターゲット以外にもヒットしそうな予感の看板ではありませんか。

とりあえず、予定していた上記の2件をクリアした後、看板を頼りに「東司の守護神」なる場所を目指す。迎えうつのは果たしてどんな守護神なのか。自分の予想は「便所の守護神=う○この守護神」である。

うすさま明王堂看板を頼りにたどり着くと、道路を挟んで観光バスが何台も停まっている専用駐車場。反対側は土産物屋になっている。この土産物屋を抜けて、民家の横の細い小径を上がっていくと、明徳寺の入口へとたどり着く。
後で知ったのだが、本来は明徳寺としてガイドブックに載っている。ここに便所の守護神の烏瑟沙摩(うすさま)明王がまつられている。自分は明徳寺でなく、うすさま明王堂というのを目印にここにたどり着いたので、ここではあえてうすさま明王堂として紹介する。
便所の守護神というと、自分のように「便所=う○こ」と考える人も少なくないと思われるが、予想に反して実は下の病に御利益があるとして全国的な信仰を集めているそうだ。

うすさま明王堂うすさま明王堂門をくぐると、右手に「うすさま明王堂」とかかれた場所が。奥は薄暗くて、果たしてどこにいるのかわからないけど、とりあえずお参りする。

ふと横を見れば、温泉地の観光旅館で歯ブラシとか売ってそうな自販機。ここでは祈願ローソクですが、残念ながら故障中。しかし、見本の写真が色あせちゃって、しかも一昔前の聖子ちゃんカットな女性がロウソクを持っているという...ちょっとばかり怖い感じがするローソク販売機。

しかし、何だか肩すかしを食らったような感じ。ちょっとばかりウロウロしてみると、このすぐ横に何やら張り紙が。よく見ればどうやらこの建物の裏側にうすさま明王がまつられているらしい。

奥にあるのはトイレ。ちょっと近づいただけで、鼻をつく匂い。昔の高速道路のパーキングにあるトイレの匂いと言えばわかるでしょうか。まあ、あれですね、掃除が行き届いていなかったり、したモノがそのままにしてあった場合に発せられる匂いです。

うすさま明王堂ということで、これが本物。トイレの横にまつられていたうすさま明王。写真じゃわかりませんが、にこりと笑っていて、なかなかユーモラスな神様です。

この明王様は500年前から「不浄のものを清浄にする徳」を持っているため、トイレの中におまつりして、下(しも)の病気で困った人々を助けてきているそうなので、下の病気をしないよう健康と幸福を祈念すると良いらしい。

便所=う○こではなく、下半身全般の守護神。自分の短絡さをあざ笑うかのように、うすさま明王の横には何本かの男性器のオブジェが。ご神木というのだろうか、女性器(穴があいている)男性器両方も置いてありました。

うすさま明王堂うすさま明王堂下を見れば、はい、トイレです。

ちなみにこの隙間から下を見れば、お賽銭?らしき小銭がじゃらじゃらと。昔のトイレなんでしょうが、この隙間から全てのモノが落ちるとは自分は思えないんですが...。ナゾ。

扉が並んでいるのはホントのトイレ。うすさま明王と壁一枚隔てたところにありますが、匂いがすごかったので、中には入りませんでした。扉を開ける勇気さえなかった。だって、扉にお札貼ってあって、何だか怖かったから。

うすさま明王堂お寺の境内のお土産?コーナー。下の病気の神様だけあって、売っているモノはパンツ、パンツ、パンツ。しかし、表記は「申又(さるまた)」「ズロース」と、これまた古めかしい。御朱印入りでお値段は500円から。どうでもいいことですが、Sサイズがないのが、ちょっとばかり気になりますね。

何でも毎年8月29日には、うすさま明王の祭典が盛大に行われるそうで、次回は是非このお祭りを見てみたいと思う。みんなでトイレ掃除でもするんだろうか。