MUSEU de l' EROTICA
久々に訪れた秘宝館は、「ニッポンの歩き方」にして反則ワザの海外。場所は情熱の国スペインのバルセロナ。古代から現代に至るまで世界中のエロな歴史が楽しめる、スペインで唯一のエロティックミュージアムであります。
ユーロバカ高な時期に訪れたため、空港の両替所には日本の両替よりも更に20円近く高い、1ユーロ188円と恐ろしい数字が表示されていた。恐るべしユーロ。なので、料金換算表示は訪問時のレートであります。
事前に公式サイト(「世界の秘宝館」参照)で場所はチェックしていた。公式の地図にはランブラス通りの一本裏にある道沿いにあるように描かれている。
しかし、この一本裏の道が、なかなか見つからない。もしかしてコレ?という細い道を進むと、Mの文字がとれた看板と、落書きされたシャッターが・・・。閉館またはシエスタの最中?と、ユーロ高なみにガックリしながら、とりあえずランブラス通りへ。
ランブラス通りは、港近くのコロンブス広場から街の中心地カタルーニャ広場まで続く並木道で、露天やお店で賑わう場所だ。ぷらぷら左右を見ながら歩いていると「MUSEU de l' ERÒTICA」と描かれた看板と、入口でチラシを配っている人を発見。って、大通り沿いにあったよ、あの地図間違ってるだろ。
ま、結果的に辿り着けたので「良し」とするが、自分にとってガウディの国の地図は芸術的すぎた。ちなみに場所は、地下鉄リセウ駅で降りて、ランブラス通りをカタルーニャ広場方面へちょっと進んだ右側だ。参考までに。
さて、写真撮影可の太っ腹な内部。今回は手法を変えて全体がわかる平面図を描き、写真と説明を表示させるようにしてみました。
各部屋にあるカメラアイコンとその数字は、下にあるリストの写真と説明に対応してます。
※Flashコンテンツを廃止し、スマートフォンでも閲覧出来るよう作り直しました。(2015.12)
階段を上がると、真っ先に目に飛び込んでくるのが、コレ。
木目調の巨大なちんこ。
なぜ、木彫りと言わず木目調かと言えば、破損した部分から中のウレタンがのぞいていたいから。
タイの「男根のお守り」。
表面には、うねうねした文字が所々に書かれていた。
落書きかと思ったが、たぶん超達筆なタイ文字。
かつては薬局の「前」に必ずあったもの。
10円を入れると動く象の「サトちゃん」。
かつては薬局の「側」に必ずあったもの。
タバコでもジュースでもない、謎の自動販売機。
キャッチコピーは「明るい家族計画」。
それの海外版である。
この「MUSEU de l' ERÒTICA」では、世界中のエロなものを、地域や国ごとに分けて展示している。
カーマスートラ的な体位で合体する人々。
エキゾチックな柄のクッションやカーテンを配置したジオラマとなっているので、生活感というか、背景というか、わかりやすい。
素敵な展示方法だ。
浮世絵にもこんな化け物がいた気がする。
「1870年のイギリスのステッキ」
ステッキを使う習慣がないので間違っているかもしれないが、たぶんこの丸い部分は、常に持っていれば手のひらで隠れるのだろう。
隠れた楽しみというか、何かのプレイか。
しかし、このセンスにはついていけない。
これは水差しか、ジョウロか?
説明書きの英語を直訳すると「前コロンビアの好色芸術の表現」ペルー産。らしい。見る人の受け止め方で、全く違うものになるが、個人的には、勝手に「ちん徳利」と命名した。
根の形が人間の姿を連想させるがゆえ、ちょっと妙な形に育ってしまうと、見方によってはエロティック・・・。
棒にまたがっている人間に見えないこともないが、男根が勃起した状態にも見える。
「朝鮮人参の根」は、おそらくそんな理由で展示されている。
身も蓋もない直訳をすると「骨の彫刻」19世紀の日本の作品。
日本に布教に来た宣教師は、そこら中で男女が交わっているのを見てビックリしたらしい。
このジオラマには、そんな西洋から見た日本が現れている。
下腹の筋肉が凄すぎて、一瞬ヒモでも食い込んでいるのかと思いきや、全裸である。
絶対目がいくのはわかるが、みんな触りすぎだろう!
色が変わって白くなっている。
触られすぎて、控えめに縮こまっているように見えるのは気のせいか。
通りに面した窓にはブラインド等はなく、日本の秘宝館の暗い感じとは対照的に、白を基調とした館内は明るく清潔だ。
展示してあるのが、ほぼ「ちんこ」なのは、どちらも同じなのだが、全く違う空間に感じる。
光と闇の効果ってすごいなと思う。
明るい日差しが降り注ぐテラス。
観葉植物とデッキチェアが置かれているだけで、エロなものは何も無い。
パンフレットを見ると、Welcomeちんこと名付けた「タイの男根お守り」は、以前はここに置かれていたようである。
水着姿や半裸のお姉さんが、微笑んでポーズを決めている。そんなイラストが描かれている、紙マッチ。
配色も綺麗で、お菓子の包装紙やポストカードでも通用しそうな出来映え。
サイケな床とバーカウンター。そして、バービー似の人形たち。
中央でポールダンスするバービー以外は、全員顔が男っぽい。さらに中央奥にはヒゲ、右奥は胸板を露出しているので、もしかしたらニューハーフクラブかもしれない。
退廃的な雰囲気を漂わせている、妙な展示物。
「18世紀半ばサド&マゾヒストの遠近画法」という唯一マネキンを使った展示。
SMというと、土曜ワイド劇場の江戸川乱步シリーズ「天使と悪魔の美女」のワンシーンを思い出す。
男性に馬乗りになるボンテージスーツの女性、そしてムチ。
正月早々お茶の間を気まずくしたエロシーンの数々は、今でも脳裏に刻まれている。
椅子の中央部分に空いた穴から、木製のちんこが突出。
手前のハンドルを回すと上下する仕組み。
フランスの「museé de l' érotisme」にも、この手の快楽椅子は2タイプあったが、畳で生活していた昔の日本人にはない発想。
拷問器具にも見えるが、苦痛と快楽は紙一重ということか。
鬼怒川秘宝殿の「秀吉の5P」、嬉野武雄観光秘宝館の「ハーレム」を彷彿とさせる構図。
唯一違うのは、全員オンナであるということ。
そこで勝手に「レズビアンハーレム」と命名。
ヨーロッパの宗教画っぽくも見えるが、実は違う。
そんな絵が何枚も飾られていた。
成人映画の上映室もあった。
スクリーンには、シミだらけの垂れたオッパイと、たるんだ腹を揺らして喘ぐ、あまり若くない女性が映っていたので、ぱっと見ただけ。
しかし、そんな画面を入口横の席に座って、ジッと見ている男性がいてビックリした。
微動だにしなかったので、もしかしたら蝋人形だったかもしれない。
ガウディーの建築、フラメンコ、闘牛と見所は一杯で、観光地としても人気のバルセロナ。最大目的は秘宝館だったのだが、テレビで生中継している闘牛も見られたし、ガウディもフラメンコも結果的に全部堪能。密度の濃い観光ができるいい場所だ、バルセロナ。
あと、全然関係ないが、深夜のテレビでセクシーなお姉さんが喘いでいて、電話番号が表示されるナゾのCMが流れていたのが印象的。
それから、秘宝館から地下鉄一駅分歩いたところにある「ろう人形館」が、意外と面白かったのでオススメ。ろう人形自体は似てない人も多いし、誰だかわからない人もいるけど、仕掛けや見せ方が凝っているので行って損はなし。同じランブラス通り沿いなので、是非秘宝館とセットで。ただし、昼休み(シエスタ)の時間が長いので訪れる時間帯には注意。アディオス!