仙台大観音

仙台大観音

仙台大観音個人的に思う妙な観光スポットの3大キーワード、大仏もしくは観音、金ピカ、巨大。
2010年末に行ったみちのく旅から、このキーワードを2つ含む「仙台大観音」をご紹介。

以前「ユートピア 加賀の郷」で巨大観音を目にし、しかし!上には上がいると書いたのが、この「仙台大観音」である。
総高100メートル。青葉城跡からでも、その存在を目視で確認出来る大きさ。これが日本一だと思っていたのだが、実はまだ上がいたことを知った。牛久大仏である。
奧が深いな、巨大仏・巨大観音の世界。

仙台大観音仙台大観音そもそも、この仙台大観音の存在を知ったのは1998年頃。このサイトのネタ集めも兼ね、日本各地のどうかしてるスポットを探してた時だった。

バブル末期の91年に開眼した仙台大観音は、パチンコ業界出身のニューワールドという企業が建てたということもあり、ニューワールド観音と呼ばれているらしいとか、手に持っているのはパチンコ玉だとか、なかなかいい感じにどうかしていたので、一度行ってみたい!と思っていたのだ。
十数年越しでやっとご対面できたよ。

あまりの巨大さに、近寄ったら見ると言うより見上げるしかない大観音。右の手のひらには、パチンコ玉説のあった丸い物体を確認。ちなみに正解は、人々の願いをかなえてくれる「宝珠」だそうです。

仙台大観音ところで、この仙台大観音。当初はホテルとゴルフ場を備えた一大リゾートの中に存在していた。
大仏+ホテル+ゴルフ場という奇妙な構図は、ユートピア 加賀の郷(観音+ホテル+遊園地)によく似ている。

・・・ということは、そうです、やはりここにもバブルの亡霊が(大げさ)。

バブル崩壊。仙台大観音はホテルやゴルフ場とは切り離され、大観密寺に属した宗教法人施設となった。そして、ホテルやゴルフ場は再生して廃墟にならずに済んだとはいえ、この一角だけなんとなーく寂れているのが現状。

仙台大観音さて、肝心の観音様内部である。

と、その前に、気になったのが観音様の足下にある「浄財」と書かれた大きな銭入れが。
賽銭箱ではなく浄財箱。この違い、微妙にひっかかるよねと調べてみれば・・・
・賽銭:祈願成就のお礼として神仏に奉る金銭のこと。
・浄財:寺社や慈善事業などに寄付する金銭のこと。

バブルの亡霊は、もしかしたら未だに経営を圧迫しているのかもしれない。

観音様の両足の間にいる龍の口から、中へ。「ユートピア 加賀の郷」の経験から薄暗かったり、ハトとか迷いこんでたらイヤだなぁと思っていたのだが、明るくキレイで、至極普通であった。

1階は、十二神将と三十三観音像が安置された円形回廊風。そして、この十二神将や三十三観音像の一つ一つが結構大きい。なので、なかなかの迫力があり見応え十分。ここを一通りぐるりと見て回ったら、エレベーターで最上階の御心殿まで上がり、そこから螺旋階段で降りてくるようになっている。同じ所を二度通らない、上りはラクラク、下りはそれなりの親切設計だ。

仙台大観音最上階の御心殿は、控えめな金ピカだった。
思えば胎内に入ってからの写真が一枚もないのだが、撮影禁止だったのかどうかは忘れてしまった。禁止じゃなくても、個人的にこういう内部は何となく撮るのをためらうので、久々に作画。最上階から下は吹き抜けになっていて、外周を巡る螺旋階段(ゆるやかなスロープに近い)の床には知恵の水が描かれ、手すりには電飾が巡らされている。

また、各階には螺旋階段と繋がった神仏回廊デッキがあり、安置されている菩薩だとか観音だとかの像を見ることができる。全体の照明は暗いのだが、吹き抜けから見える手すりの電飾と各階の神仏回廊の明るさが、なんとなくファンタジーな雰囲気を醸し出す。しかも、下る途中で仏像を見るという構造は、ちょっとした神仏テーマパークだった。

ちなみに、神仏回廊は勝手に名付けたのだが、ここに安置されている像の合計は108体。全ての像の前に「浄財箱」が置かれていたことも付け加えておく。

仙台大観音以前、仙台出張のホテルを予約してくれた人に、観音様のホテルは知っているか聞いてみた。
すると「ちょっと郊外だけど、部屋は広くて設備も良さそうだったので、仙台の初出張の時にそこにした」という意外な答えが。

しかし、泊まったオッサン達からは「国分町(仙台の歓楽街)から遠い!」「窓の外の観音様が不気味」と、不評だった為、次からは街中のホテルを選ぶことにしたという。

要は、タクシー呼ばないと国分町に飲みにいけない。しかも30分位かかる。というのが一番の不評ポイント。観音様にいたっては、言いがかりに近いと思う。
とはいえ、おそらく近所に住んでいる人はもう慣れているのだろうが、部屋のカーテン開けて目の前に巨大な観音像が見えたら・・・まあ、ビックリするね。

帰り際、後ろ姿のくびれやシワを見て「ち○こ」と思った。前から見たら観音様、後ろから見たら男根って、なんだか秘宝っぽい。
やっぱり奧が深いな、巨大仏・巨大観音の世界。