ナゾのパラダイス

ナゾのパラダイス

2008年、なんちゃって三都観光の締めくくりに訪れたのが淡路島。
何故に淡路島かといえば、別冊宝島の本「全国お宝スポット魔境めぐり!でその存在を知って以来、行ってみたい!と長年恋い焦がれていた「ナゾのパラダイス」があるのだ。念願叶ってやっと行くことができました。
この施設の正式名称は「立川水仙郷」。水仙郷の中にある施設のひとつが「ナゾのパラダイス」だ。

ナゾのパラダイスナゾのパラダイス道路から入口らしき場所にクルマを乗り入れると、どこからともなくオバチャンがサササーっと駆け寄ってきた。
入場料を払うと入館チケットと水仙まんじゅうを渡され、またオバチャンはサササーっと走っていった。この先一本道を通るらしく、対向車がいないかを確認してくれていたのだ。

帰りに気づいたのだが、ゲート(写真左)があったので、自分が入ったのはどうやらマイナーな入口らしい。

さて、敷地に入ってまず目に付いたのは、どーん!と巨大な記念歌碑三連発。ナゾのパラダイスが書籍やテレビで紹介された時に建てた、記念の碑らしい。残念ながら、ひとつ割れちゃってるけど。

ナゾのパラダイス

「世界超偉人500万人伝説」読売テレビ放送記念の碑。歌は「チンチン音頭」。

ナゾのパラダイス

「探偵ナイトスクープ」朝日テレビ放送記念の碑。歌は「チンチン音頭」。

ナゾのパラダイス

「全国お宝スポット魔境めぐり!」掲載記念の碑。歌は「愛してる」。

石に刻まれている歌詞は、まったくのオリジナルソング。「全国お宝スポット魔境めぐり!」の記事によると、「チンチン音頭」は『たけし、さんまの世紀末特別番組世界超偉人伝』という番組の為、「愛してる」は『探偵ナイトスクープ』放送3周年記念に、ここの社長(東野宣孝 氏)が作った歌だそうだ。

ナゾのパラダイスナゾのパラダイス「チンチン音頭」に至っては、発祥の地なるナゾのオブジェもある。テレビで放送されて、当時はかなり話題になったのだろうか。

どっちも聞いたことがないが、歌詞がスゴイ。なにしろ「チンチンいっぱいうれしいな」(チンチン音頭)、「ズッコン パッコン アイラブユー」(愛してる)というフレーズが必ず入っているのだ。

しかも、バッコンではなくパッコンだ。さらには6番の歌詞は「人の身に 我が身を入れる 気持ち良さ♪ ズッコン パッコン アイラブユー♪」とある。社長のセンス、スゴイ。

ところで、まだ水仙郷の敷地内を歩いているだけなのだ。もう、何か歌碑だけでお腹いっぱいというか、どうかしてるよね感がMAXに達してしまう位のインパクト。それなのに、歌碑の脇に「UFO神社」なるものがある。それがまた石碑だったりして、石だけで結構お金使ってるよなぁ。と、余計なお世話が頭に浮かぶ。

ナゾのパラダイスさて、今回のメイン「ナゾのパラダイス」へと進む。入口という文字に引かれて進むと「立川平家村民俗資料館」と書いてある。色違いで「店」って書いてあるのも気になるけど...しかしまあ、あれだ。遠目に見ても文字の大きさがどうかしてる。トイレと入口が目立ちすぎだ。

瀬戸内海って、平家落人伝説とかたくさんあるんだろうなと思いつつ、中へ入る。古い農機具とかそんな感じのものが並んでいる。あれ、落ち武者じゃないのか。と、勝手に勘違い。
更に進むと水仙グッズやお菓子が並んでいて、どうやら「店」って書いてあったのはこの場所を指すらしい。ラジオから大音量で競馬中継が流れる中、オバサンが一人店番をしていた。

ナゾのパラダイス特に欲しいモノもなかったので「店」を後にし、いよいよパラダイスへ。
と、ドアの横に駐車スペースみたいな空間があり、覗けば「アーチェリー」とかすれた文字が読めた。え、ここでアーチェリーやるの?距離短くね?などとウロウロしていたら、パラダイスからヌッとオジサンが出てきてビックリした。「入るの?」と言われ、入館券を渡してそのまま中へ。

今度はラジカセから大音量で瀬川瑛子の「命くれない」が流れている。ラジカセの横には煮干しが袋ごと置かれていて、その横にある箱には何故か煮干しの頭だけ入っていた。何かの魔除けかと思ったが、たぶん煮干しはオジサンのおやつで、頭は苦いとかそんな理由で除けているのだろうという結論に達した。しょっぱなから濃いぜ、パラダイス。

ナゾのパラダイスさて、「おしべとめしべのことをまなぶところ」とある通り、ナゾのパラダイスは18才未満はご遠慮くださいの秘宝スポット。展示内容をお見せするのは自粛するが、チンチンいっぱいうれしいな♪の歌詞通り、中には木彫りのチンチン(のようなもの)で一杯だ。
さらには、オジサンの手書きと思われる体位の絵とか、性に関する格言とか、エロ本とか、まあそんなものも一杯だ。全体のクオリティとかテイストとしては、高校の文化祭っぽい感じといえば、何となく想像がつくだろうか。ただし、BGMは大音量の演歌だ。

淡路島は狸が有名なのか、狸の剥製(股間に木彫りのチンチンのようなもの)があったり、体位の男女の顔は狸だったりする。頭がくらくらしそうな空間だ、パラダイス。

帰り際、水仙に囲まれながら仲睦まじく肩を寄せ合って写る男女の写真を目にした。男性の方はパラダイスにいる、今よりもちょっと若いオジサン(社長)のようだ。たぶん、横の女性は奥さんだろう。奥さんはどうしているんだろう...と、何となく勝手に切なく思いを馳せたところで、ああそうか「店」で店番をしながら競馬中継を聞いているのだ、と現実に引き戻された。

自分で作り上げた秘宝スポットで過ごす老後。オジサンがちょっぴりうらやましかった。さすがパラダイス。

ナゾのパラダイス立川水仙郷という名の通り、海に向かって続く山間のなだらかな斜面には、もちろん水仙の花もびっしりみっちり。見事なまでの水仙が咲き誇っていた。
きっとここへ訪れる人の比重は、ナゾのパラダイス > 水仙だと思うが、水仙の見頃は12月から2月なので、水仙と併せて楽しみたい方はこの時期に行かれることをオススメする。

最後にひとつ、どうでもいい豆知識。
みうらじゅんさんの「カスハガの世界」で紹介されている、咲き誇る水仙の中に横たわるヌードの女性(何故か赤いハイヒールだけ履いている)絵ハガキがある。その撮影場所はここだ。ナゾのパラダイスにふさわしく色々とビミョーな絵ハガキなので、是非これも見て欲しい。

世界平和大観音像

淡路島で気になる巨大観音

妙な観光スポットの特徴である「巨大」そして「観音」。この二つを兼ね備えた世界平和大観音像が淡路島に存在する。しかし、創設者が亡くなり、現在は引き継ぐ人もいなくて廃墟となっている。しかも、老朽化による崩壊が懸念され、世界平和どころか地元で問題視されているらしい。
写真ではわかりにくいが、首の辺りにぐるりと展望デッキがあり、その形状からムチウチ治療中の観音にも見える。

尚、在りし日の内部の様子は、珍寺大道場で紹介されている世界平和大観音を参照されたし。


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