土肥金山
金山といえば佐渡の金山が有名ですが、西伊豆の駿河湾にほど近い場所にも金山があります。その名も「土肥金山」。観光コースにもなっているようで、なかなかたくさんの人が訪れている場所です。
土肥金山は、1370年代、足利幕府直轄の金山奉行が土肥を支配し、盛んに金を掘ったのが始まりとされています。その後、江戸時代には隆盛を極め、昭和40年(1965年)に鉱量枯渇のために閉山。観光坑道として整備され、昭和47年(1972年)から一般公開され、現在に至っています。
ところで、ガイドブックにも載っているかなり有名な観光名所ですから、今更自分がご紹介することもないんですが...。ガイドブックにあった「電動人形が再現する江戸時代の金山採掘の様子」というのが、どうにも興味を引いたわけで、ここに行かねばならないと思い立ち、初冬のかなり暖かな日に西伊豆を目指した訳です。
どうやら秘宝館ばかり巡っていて、人形による再現というのに惹かれてしまうようですが、なかなかどうして期待に応えてくれた土肥金山でありました。
この土肥金山は「観光坑道」「黄金館」「砂金館」「本館」の4つで構成されています。料金を払って順に見学するのは「観光坑道」「黄金館」「砂金館」の3つ。最後に「本館」にたどり着く形です。
要は、腹減ったら飯食ってけ、せっかく来たんだからお土産買ってけ状態。
さて、入口です。団体で訪れて記念写真が撮れるように、椅子やら何やらが用意されています。入場料は300名以上の団体だと660円になるそうですが、そんなにわさわさと大量の人数で見学すると、坑内の空気が薄くならないか心配です。まあ、そんなことはどうでもいいですね。
門をくぐると、ちょっとした小径を抜け、坑道入口と書かれた方向に歩いていくと、池があります。
この池の真ん中に鎮座ましますのが、右の写真の「金の坑内作業人」。ちょんまげ頭にふんどし一丁、肉体労働で鍛えられたいいカラダ。これでもかとばかりに見せつけていますが、何にしても金色に塗っちゃってるところがポイント。なにしろ金山ですから。
さて、最初は坑内めぐりの観光坑道。
総延長100Km以上という長さの坑道内には、随所随所で江戸時代の採掘風景が再現されています。坑道の入口を一歩入ると、ちょっとヒンヤリとした雰囲気。
薄暗くてかなり長くまっすぐな道が続いています。ここは栄進通洞坑と呼ばれる主要運搬坑道です。
写真のように、坑道の片側には金山からくり絵図がいくつか置かれており、センサーに反応してからくりが動き、当時の様子を伺い知ることができます。
支柱作業風景です。
坑内というのは、空気の循環があまり良くないし、水が出たり温泉?があったりするわけで、暑いから作業する人はハダカなんです。ねじりハチマキにふんどし。しかも引き締まったいいカラダ。
しかーし、左の写真。せっかくいい人形なのに、カツラがずれちゃっています。残念です。どの人形もかなり表情が豊かで、しかも安っぽさがありません。
切羽作業ということで、細かく砕かれた石を女の人がざるですくってます。女の人はさすがに着物を着てます。
が、しかーし、入口でもらったパンフレットの写真では、女の人の胸元がはだけてオッパイが露出している。しかも髪型が違う!ううーん。心ない観光客にいじられて、塗料がはげちゃったんで胸元きっちりにしてるんでしょうか?
髪型はこちらは多少乱れてますが、パンフレットの方はまとめ髪で結構きっちりしてます。ナゾです。
この人、昔VOWに出てましたね。パンクラス?の見出しつきで。
湯殿山麓呪村?監禁じゃありません。ちょっとだけエロの坑内風呂。
採掘する人は、結構リアル。この人は乳首たってました。
最後に坑道の出口。
ここに露出している金鉱脈は、天正年間から掘り始めた跡なんだそうです。ただ、天正年間と言われても、ちゃんと勉強しなかったので、何時代かも全然わかりません。全然ピンとこないんですが・・・まあ、すごく昔からのものがそのままですよってことです。
この出口を抜けると、先ほどの池がある場所にでます。そして、順路とある看板を辿れば次は土肥金山資料館である「黄金館」です。
「黄金館」では、金鉱石など金山の産出品をはじめ、江戸時代の坑外風景や土肥金山周辺の町並みなどがジオラマや模型が。
左はお金の原型。何だかプラモデルのパーツのようで、使う時にニッパーで切り取るってのも面白いかもしれない。面倒くさいけど。
右は金箔を作る状態を再現?したもの。手の彫刻が妙にリアルで、なんだか今にも動きそうな感じでした。
資料館というだけあって、真面目です。ここにはお土産コーナーもあり、金グッズが大量に売られています。何しろ金山ですから。
「黄金館」を出ると、次は「砂金館」へ。ここでは、温泉砂金採り(30分間採り放題)が体験できます。ただし、砂金採り体験料というのを払わなければなりません。料金は600円也。自分は600円払って砂金を採るぐらいだったら、600円払って砂金を買った方がいい人なので、当然のことながら体験してません。
砂金採りは、黒っぽい皿に砂をすくい、水の中で皿を回して余分な砂を流すと最後に砂金が残る...というしくみです。かなりの根気がいると思われますが、砂金館の奥でひたすら賢明にすくっている人がいました。(写真奥の人々)
採った砂金は小瓶に入れてくれますが、確か量が少ないと小瓶もお金を取ったような。観光地ってのは、どこで何してもお金がかかりますね。ただ、かなりの量を採った場合は、ポイントランキングに名前がのります。埼玉県の主婦が軒並み名を連ねていました。恐るべし主婦。皿を洗う要領で慣れているんだろうか。
残るは「本館」。ドライブインのような感じです。特製オリジナル商品に、カステラ(金箔入り)、純金茶まんじゅうなどがあります。しつこいようですが、何しろ金山ですから。何から何まで金づくし。
あまりにも普通の観光スポットです。歴史系の真面目な観光スポットです。怪しくも何にもありません。デートスポットとしてはかなり渋めな部類に入るので、カップルで行ってもちっとも雰囲気出ないでしょう。
ただ、パンクラスとかその手の鍛えられた男のカラダが好きな人、無条件に男のカラダ(裸体)が好きな人には、違った意味で楽しめる場所かもしれないなと勝手に思いました。