元祖国際秘宝館
2度の福引を終えると、その先に「陰部神社」なるものがある。男性器のオブジェが祀られ、何だか知らないけど裸の女が抱きついている。一昔前にやっていた「風雲たけし城」のチャレンジアトラクションみたいな感じだ。あれはグルグル回っていたけど、ここのは動かなかった。
ただ、近づくとセンサーが反応して「男女和合」「子宝」など、要は下半身に関する悩みに効きますというような説明テープが流れる。通り過ぎようとすると「賽銭をあげて拝まないと、よくないことが起きる」というようなことを言った。おいおい、まだ金取るのか?
実はここらへんから、順序の記憶があいまい。ちゃんとメモっておくんだった。反省。
幻想の世界と言った感じで、女体や陰部がダリの絵のようにグニャグニャと混じって、壁一面にオブジェとなっているところを抜ける。
昔の日本の遊郭。遊女がくつろいでたり「遊んでいかない?」などと言ったテープが流れる。
しかし・・・みんなブサイクなのだ。それに加えてカツラがあっていなかったり、顔と胴体があっていなかったり、何だかなーである。造りが大雑把なのだ。
確か、保健衛生コーナー。
「解剖室」と書かれた場所には、二人の医師と看護婦一人。看護婦は片乳を出している。この辺が秘宝館なんだろうけど、よくわからない。でもって手術台にのっているのは、学校の理科室でみかけた人体模型。カラダの半分が血管や筋肉むき出しになっていて、内臓とかがとりだせるやつである。
しかも医師がいるのと反対側にメスなどが並んでいる。反対側じゃ、手が届かないだろうが。またしても、何だかなーである。
しゃがみこんで手術台の足下をのぞく。自分は見逃さなかった。男性医師の足は、どう見ても女性のマネキンだった。白のパンプスを履いてポーズを決めている。・・・やっぱりアバウトな演出。
保健衛生だけあって、生命の誕生とか、性病とか、生殖器の模型だとかそういったものが展開される。理科室の雰囲気。馬鹿馬鹿しいエッチさとか、笑える雰囲気はなく、テンションが下がりがち。
そして(確かこのコーナーにあったと思う)性具関係の展示。怪しげな拘束具とか、電動コケシの類である。ここでの目玉は、ボタンを押すとコケシが動くやつ。6種類くらいあって、ボタンを押してどれが動いているのか真剣に探してしまった。
そして、休憩所なのか?ちょっとばかり広い場所に出る。
風でスカートがめくれてるマネキンがあって、たぶんマリリン・モンローを意識してるんだろうが、全然違う。よくわかんない人形とかが並んでいる。
が、ここには爆笑させられるものが二つあった。
ひとつはコインを入れると動く乗り物。それも女体。それでもってそのポーズがこれまた凄い。もう、2台並んで置いてあるのを見た途端に笑った。しかも、結構な人数が乗ったりいじったりしたのか、塗料がはげている。
もう一つは、その横にある「個室」と書かれた場所。
おそるおそる入ってみると、オレンジと白のストライプのついたての両側に、カラオケボックスみたいな感じで赤いソファがある。場末のバーとかスナックにありそうなソファだ。そして壁の中央には「明るい家族計画」と「ポケットティッシュ」の自販機。ゴミ箱がおいてあり、ご丁寧に「ゴミ箱。ティッシュ入れ」とマジックで書いてある。
個室を提供し、避妊具とティッシュを販売する。凄い発想だ。この発想と「個室」の雰囲気にはとにかく笑わせてもらった。
「秘宝の里」と書かれた入口をくぐろうとすると、横に「成人映画上映室」があった。スクリーンでは、今時見かけない服装と髪型の男と女が映っていた。日活ロマンポルノらしい。学校の教室ぐらいの広さがあって、こっちにブースを設けて「個室」とした方がいいんじゃないかと思った。暗いし、成人映画が流れてるし。
秘宝の里。昔話をエロにアレンジ。
桃太郎はホモにされ鬼としていたり、こぶとりジイサンのこぶがオッパイだったり・・・。出口付近にあった「ハーレム」においては、腹の出た中年のオヤジを4人の女が取り囲んでいるもの。これがまた、何だかなーである。
うまく表現できないが、この秘宝館全体が、パンフレットにある「ハラハラ、ドキドキのSEXY元祖国際秘宝館」とは違うよなという感じだ。設定や発想は、馬鹿馬鹿しくて面白い。ただ、この辺までくると館内の雰囲気とよどんだ空気に、頭とカラダがおかしくなりそうだ。
さすがに、もうたくさんだーと思ってくる。 早く外に出たい。出口はまだか。ということで申し訳ないですが、ここを抜けたあとの記憶が欠落。
出口を目前にして、ここの売り?でもある「今世紀最大の話題・馬の交尾実演ショー」実演会場への矢印が。このために、牧場まで持って専用の馬を飼育しているらしい。とりあえず覗きに行ったが、発情させるのに時間がかかるそうで「どうしても見たい」というものではなかったので、そのまま引き返した。
館内を出ると、ついたて一枚を隔てたその場所はゲーム センターだった。青少年が無表情にゲームを楽しんでいる。
壁の向こうは、怪しげなお色気の世界なのだ。このギャップはどうだろう。これも作戦なのか?さんざん金払わせておいて、それでもまだゲームで金を使わせようって考えなのか?
しかし、ここでゲームをしている青少年は「クレオパトラの性宴って何だろう?」とか「馬の交尾ショーってどんな何だ?」とか思いながらゲームをしているのだろうか。それとも「バカじゃないの?こんなところに金払って入るなんて。」と冷たく思っているのかもしれない。実際そうかもしれないが、オトナになるとコドモの頃にはわからなかったことが理解できるようになる。だから何だと言われても困るが。
ここでゲームをしている青少年たちが、入場を許可される年齢になった時「元祖国際秘宝館」はどうなっているのだろう。
自分が思うに、内容は変わらないままで、入場料と福引代金が値上げされているような気がする。商魂たくましく。