下田城美術館
今回も日本一の怪しげスポットを誇る静岡県。伊豆半島の先っぽの方に位置する下田にある下田城美術館。
実を言うと、このサイトを作って間もない頃、初めていただいたメールが「下田城は怪しいです。是非一度行ってみてください。」というようなものだった。おおー、見ず知らずの人がこんなことを教えてくれる。インターネットってすごいな!そんなことを思いながらも、それから3年間の間に自分が下田を訪れることはなかった。なぜなら、秘宝館に魅了されてしまった自分は、バカなエロを求めて出かけていたからである。
21世紀になってようやく秘宝館巡りも落ち着いてきた自分は、くそ寒い2月に下田へ向かった。しかし、更新するヒマを見つけられないうちに自分のマシンがクラッシュし、大事な写真データはバックアップなんぞとらない悪習慣の犠牲になった。ということで11月のある日、自分は再度下田を訪れたのである。もう一度写真を撮るために。
もう誰かの嫌がらせか、日頃の行いが悪いのか、とにかくこの日はかなりの雨であった。カメラのレンズが濡れてうまく写真が撮れない。
写真は下田城美術館の入口付近にある看板。左の世界最大の隕石からは、もわもわとパワーが出ているようであるが...どうにも、う○こが臭っているようにしか見えない。右の館長の似顔絵は、なんだかインチキ宣教師みたいだ。またしても、もわもわと怪しい気が出ている。
実は、下田城は歴史上実在してないのに作られたモノらしい。そしてここの館長というのが、宇宙からのエネルギーを集めたり宇宙と交信しているということだ。しかし二度も行ったのに自分はこの館長に会ってはいない。
それでも、もう誰がどう見たって怪しい雰囲気ばりばりな訳で、当然の如くまともなガイドブックには紹介されていないスポットだ。
さて、お金を払うと向かう先には下田城なのであるが、ちょっと寄り道したくなる「運だめしの池」というのがある。
矢印に従って進めば、その先にはそれほど大きくない池がある。真ん中には「幸運を招く観音様」があり、その周りには「健康」とか「金運」とか書かれたプレートがついた大小様々なツボがある。要は自分の望むツボの中にお金を投げ入れて、入れば幸運がつかめるというものだ。
日本人の賽銭信仰をうまく利用している。
柱には、写真のような看板が掲げられている。「一回ないし三回までに入った方は」と書いてある時点でもうダメさ加減丸出しだ。最初からウソくさいと思っているのに、更にそれを助長するような看板。
そして、 隕石パワーとか言っちゃってるくらいだから、当然ながら超能力のツボなんてのもある。他のツボに比べてかなり小さいし池の隅にあって、かなりの賽銭投げの名人か、インチキでもしない限り入りそうにないのである。
ということで、当然ながら自分がチャレンジしたのは超能力のツボ。超能力なんてどうでもいいし、幸運を招きたいと夢見がちなことも考えないが、このツボを見ただけで投げ入れたくなるのが人間ってものだろう。もしそうじゃないなら、それはかなりつまらない人生を送っている人じゃないかと思う。大きなお世話だけど。
さて、肝心な賽銭はといえば10円だ。1円じゃ軽すぎるし、5円は財布になかった。投資しても惜しくない金額、10円。そして勝負事は1回勝負。入りますよーにと、なるべくツボに近いところまでカラダを乗り出し投げ入れる。
しかし、10円はツボをかすりもせず池に沈んでいった。10円に生まれなくて良かった。下田の怪しげな城にある池に投げ入れられ、底に沈んでいるのは悲しい。
さようなら自分の10円。あ、2月に来たときも投げたから20円か。
大事な小銭を使い果たした?後は、下田城を目指す。
が、手前の広場にはここの目玉とも言える「世界最大石鉄隕石」というものがある。看板に描かれていた絵と形がだいぶ違うような気がするけど。隕石自体、金色に塗ってあったりして、パワーも能力もホントかよ!とつっこみたくなる単なるコンクリートの固まりのようである。
この隕石の下に敷かれているのは風呂敷なのだが、2月に来たときは奇麗に敷かれていたものの、今回は破けてへろへろになっている。マジックで律儀に下田城などと書かれていたので、誰かにいたずらされたのかもしれない。
なんだかもうダメさ加減満載で、趣味でやっているからなりたっているような、そんな観光スポット。
静岡ってこんなところばっかりだ。日本はつくづく平和だなあ。
さて、肝心の下田城の中はなんと!撮影禁止。ダメスポットにつきものの撮影禁止。もう勘弁してよって感じだ。
城内に入ると、結構薄暗くて寒い。順路という看板に従っていくと「お吉のすべて」ということで、唐人お吉の生涯の主要シーンを再現した人形の展示(ガラス張り)が見られる。
お吉の生涯以外には1Fにはお吉千体観音というのがあり、テーマソングよろしく演歌が流れている。また至る所に骨董品とおぼしきモノが置かれているが、ほこりっぽくて価値があるんだかなんだかわからない。お吉の生涯と骨董品が並べられた形式が延々と上まで続いているのが下田城の全貌だ。5Fまで上がれば一応下田の町を見ることもできる。
さて、お吉の生涯。最初は子供のお吉が習い事をしたいと母親にせがむシーン。手前に設置された機械のボタンを押すと、天井からぶら下がった生意気にもBOSEのスピーカーから、教育テレビのドラマよろしく感情のこもった会話朗読テープが流される。
しかし、これが長い!人形は動かないのに延々と会話形式のドラマは続く。飽きるので次へ進んでまたボタンを押す。制作にお金かかっていそうなのに、見る人によってはこの有様。なんか勿体ないような気もしますな。
そして3階に至っては機械が壊れているのか、説明テープも聴くことができない。3階は体を壊したお吉が湯治しているシーンから始まるのだが、ここだけガラスが開いている。不必要にアンダーヘアまで見えているお吉のヌード。いやー、秘宝館じゃないけど、これじゃあ面白がって必要以上にボタン押しちゃうでしょう。そんなだから壊れちゃったんじゃないですかね。
ということで、今回は根性ないので、手書き画像はお吉の裸体のみ。あとはご自分で是非訪れてみてくださいって感じだ。
ちなみに地下には、世界初のミラクルパワー館ということで、隕石ってすごい!パワーってすごい!のキャッチコピー通り?隕石に触ったりできる怪しいコーナーがある。隕石パワーのお守りやしゃもじも売っているので、願い事が叶うと信じて止まない人は買ってみたらいかがかと思う。
ちょっと電波がかっているような場所だと思われるので、ダメスポット上級者向け。できれば、いきなり最初のデートで行ったりしないように。責任は持ちません。