江の島水族館
注)このデータは、江の島水族館のものです。
江の島水族館は2004/1/12に閉館し、2004/4/16に新江ノ島水族館となりました。
江の島の入口近くに江の島水族館はあった。1954年(昭和29年)に、日本で最初の近代的な水族館としてオープン。生まれた赤子も立派なオッサン、オバハンへと変貌する半世紀を経て、2004年に閉館するというので行ってみることにした。
江の島にはいまだに昭和が残っているように感じたので、できれば水族館も見ておかねばと思ったのである。そしてやはり江の島水族館も、どことなく昭和の匂いのする場所であった。
ちなみに江の島水族館は、水族館・マリンランド・海の動物園の3つで構成されていたが、閉館2ヶ月前に行ったため水族館のみ営業していた。現在では国道134号を挟んで海側に「新江ノ島水族館」として生まれ変わっている。
ほとんどの部分がオ−プン当時のままという江の島水族館。煉瓦の貼られた壁、リノニウムっぽい床は、オープン当時はモダンな感じだったに違いない。
入ってすぐ「メダカ」が展示されていた。神奈川県の川にいたメダカ特集らしい。フツーに川に泳いでいたメダカも、今では水族館に展示されるほど希少価値なのか。
さて、メダカの向かいの水槽には得体の知れない生き物がいた。ヤドカリにしては大きいのだが、後ろにイソギンチャクがついている。なんだこれは。
子供の頃、磯の岩場で転んだりすると、岩場に生えているフジツボが傷口に入って住み着き、傷口からフジツボが生えてくると思っていた。
きっとこれは転んだヤドカリの傷口にイソギンチャクが入って住み着き、生えているに違いない。勝手にそう思うことにする。
2014年04月追記。新江ノ島水族館に行ってみました。
まだいました!ヤドカリにイソギンチャクがくっついているヤツ。お名前「ケスジヤドカリ」。外的から身を守るために、貝にイソギンチャクをつけているのだそう。しかも、貝を替える時はちゃんとイソギンチャクを移植するらしい。
奥にある「うみがめのいけ」。
その名の通りウミガメがいる。泳いでいるのもかなり大きいが、更に巨大な剥製が横に飾ってあった。確か余裕で2メートルぐらいあったように思う。しかし水槽が濁り気味なのと、薄暗いからか、館内にいたチビッコにはあまり人気なし。
しかし、ウミガメはかなり大きい生き物だ。浦島太郎はおとぎ話だが、これぐらい大きいと乗ったら竜宮城へ行けそうな気がしてくる。息が海中深くまで続くのかどうかは別として。
さて、海には危険な生物もいる。ということで、ウニと間違ってうっかり触ろうものなら、トゲには毒があるガンガゼ。刺さると引っかかって抜けないらしい。中心で光っているのは目玉かと思ったら、肛門。肛門丸出しって凄いなー。
子供の頃見た図鑑には、海のギャングと書かれていたウツボ。鼻の穴から白いものがにゅっと出ている。なんだこれは。
はなくそか?鼻が詰まっているから息ができなくて、ずっと口開いてるのか??それよりも水の中で鼻から息をするのか???ナゾはつきない、ウツボ。
そしてこれぞ昭和の極めつけ。説明板にあった「危險」の文字。現在では「險」は常用漢字外。しかもこの説明板は手書き。他にも館内には、魚について知ってもらいたいという思いが伝わるイラスト付き手書き説明もあり。職人さんが書いてるのだろうけど、観光地のダメスポットにある、手書きとは一味違う。
もう一つの昭和は日活映画「鯨 箱根を越ゆ」。残念ながら映像が流れてなかったので、どんな映画かは不明。
江の島水族館に来たかっただけなので、特に見たい水生生物がいるわけでもない。ぷらぷら歩いていると、そう広くはない館内は、あっという間に見終わってしまう。ということで、次は2階へ。
2階は「クラゲファンタジーホール」というクラゲのみの場所。世界で初めてクラゲを常設展示したのが、この江の島水族館。日本初の近代的水族館にして世界初もある。すばらしー。
大抵のクラゲは、ゆら〜という感じで水の中を漂っている。対照的に、もの凄い早さで膨らんだり縮んだりして移動しているクラゲもいた。なんにしても、色や触手の具合がグロテスク。
しかし、クラゲは丸い方が上になるのだとばかり思っていたが、そうじゃないのもいるのだ。温泉マークはその形状から「逆さクラゲ」とも呼ばれていたが、温泉マークそのままのクラゲもいるのだ。そして関係ないが、子供の頃「キクラゲ」はクラゲの一種だと思っていた。でも実際はキノコだ。なかなか奥が深いぞ、クラゲ。
ところで館内の張り紙にあるように、江の島水族館の愛称(?)は 「えのすい」だ。新江ノ島水族館になっても「しんえのすい」じゃなくて「えのすい」だ。
しかし、何でもかんでも縮めて言えばいいってもんじゃないぞ。
江の島水族館は日本初の近代的水族館ということで、昭和の時代にはお洒落な場所だったと思う。
しかし21世紀になると、ちょっぴり寂れたいい味出してる場所になった。
秘宝館同様、どことなく昭和の匂いのする場所は、徐々に失われつつある運命なのだ。そう思い知らされた「江の島水族館」。
きっと現在の「新江ノ島水族館」は、またお洒落な場所に生まれ変わっているに違いないのだけど・・・。