ダチョウらんど

ダチョウらんど

ダチョウらんど

2006/1/30 追記。
ダチョウらんどの方からメールをいただき、住所が変更になったとのことで、 データを修正しました。(2014/08更に追記。公式サイトと住所等が変わっていたので再度修正。)

尚、ここから下にあるのは、移転前のダチョウらんどの内容です。
移転後の詳しいことはダチョウらんどのサイトをご覧ください。

ある日のこと。栃木県のとある川沿いを通りかかると「産直野菜・ダチョウがいます」と書かれた看板があり、看板の先を見たら本当にダチョウがいた。野菜を買いに来たついでにダチョウを見るのか、ダチョウを見に来たついでに野菜を買うのか、どちらにしろ栃木の河川敷にダチョウがいるというのは、ヘンだと思った。

しかしもっとヘンなのは、日本にはダチョウだけを集めた「ダチョウらんど」なるものが存在するのだ。日本の南の果て、沖縄県に。ということで、ダチョウ目当てにはるばる沖縄へ。

ダチョウらんど

ダチョウらんど

ダチョウらんど

「ダチョウらんど」は、日本で初めてダチョウの飼育に成功した、いわば日本のダチョウの元祖。

いい味出してる看板にもあるように「日本のダチョウの歴史はここから始まった」という貴重な観光スポット。その割に何故か人気がなさそうだ。夏のトップシーズンだというのに、お客さんの姿を見かけない。

さて、寂れた感じが漂っている入口を抜け、お金を払って中に入ると、さっそくダチョウがこっちを見ている。

受付にいたオジサンから「これをダチョウにあげてください。」と、しなびた感じの草の束を渡される。オジサン曰く「沖縄では普通にそこらへんに生えている」サシグサという草なのだそうだ。茎の部分は食べず、葉っぱの部分だけ食べるらしい。

ところで、受付で入園料とは別に追加で400円を払うと、ダチョウに乗って記念撮影もできる。記念撮影と言っても自分のカメラで撮るのだが。一緒に行ったYはダチョウに乗ることを希望していたので「このまま真っ直ぐ行って、突き当たりのところで待っていてください。」オジサンはそう言い残して、受付へ戻っていった。

ダチョウらんど

おー、ダチョウ!!

ダチョウらんど

葉っぱを差し出すと・・・

ダチョウらんど

ガツガツ食べる

ダチョウのいる柵に近寄り、おそるおそる葉っぱを差し出すと、エサの気配を感じ取りダチョウが集まってくる。首を伸ばして顔を近づけてくるのが結構怖い。茎をくちばしで挟んで葉っぱを引っ張り、ガツガツ食べるダチョウ。食べている時に、時折まぶたが裏返って白目を剥くようなエクソシスト状態になるのも怖い。

しかし、エサの取り合いもせず、追いかけてくることもなく、意外にも大人しいのだ、ダチョウ。

ここでダチョウの豆知識1頭のオスに2頭のメスで1グループの一夫多妻制。繁殖期間中にメスは30〜40個のタマゴを生む。
オスは黒と白、メスと若鶏は灰色と茶色の羽根になる。ヒナの間は区別が難しい。
目には長いまつげがあり、まぶたはラクダと同じ瞬膜というのがある。
オスは立ち姿が2メートル40センチ位、体重150kgにまでなる。寿命は約40年。
鳥類の足は普通3本だが、ダチョウは2本。大きな指で全体重を支え、小さい指でバランスを保つ。
ダチョウらんど

ダチョウらんど

左の写真のヤツが一番元気

ダチョウらんど

夏にもかかわらず、ヒナはストーブで暖まっていた

ダチョウらんどダチョウらんど園内は、サファリランド、ヒナランド、ダチョウロデオ、ダチョウ資料館、そしてレストランとショップで構成されている。もっとダチョウがわさわさいるのを想像していたが、一区間に5羽前後いる程度。しかし、お客は自分達だけなので、園内のダチョウから注目を浴びている訳だ。そう考えるとちょっと贅沢かもしれない。

ヒナは4匹いて、真夏にもかかわらず電気ストーブで温まっていた。首はまだ短く、カルガモのヒナといっても通りそうだ。

ダチョウロデオと書かれた場所に行くと、ダチョウとは何の関係もなさそうな木彫りの像があった。誰だよ、あんた。ダチョウより顔が怖いよ。

雨が降り出しそうな天気で、遠くでゴロゴロと雷が鳴りはじめた。園内に入る時、オジサンは親切に「傘、持っていきますか?」と言ってくれたのだが、そんなに広いのかと聞き返したら「いや、あの・・・まあ途中に屋根のある休憩所みたいなのがありますから、もし雨がひどかったらそこにでも・・・」と、それ以上傘を持っていくことを勧めなかった。

ザーッと降り出したら嫌だな思いつつ言われた場所で待ってみるが、オジサンは現れない。まあ、雨が降ったところで走ればすぐに入口に戻れる距離だ。傘を勧められなかったのは、こういう理由だったのか。

待っていても仕方なさそうなので入口に戻ってみると、オジサンはフツーに座っていた。が、こちらに気づいて「あー、ごめんごめん。お客さんが来て話してたら、忘れちゃった。」と、慌てて出てきた。ダメスポットっぽい対応というより、南国沖縄のおおらかさか。もう、ニヤニヤ笑うしかない。

ちなみにダチョウに乗った感想は「体温が暖かい・背中はゴツゴツしていて固い・首はチクチクした毛が生えていて、今までに触ったことのない不思議な感じ」だそうだ。

人が乗っても、触っても大人しいダチョウに感心すると「ええ、それだけちゃんと調教してますからね」と、オジサンはちょっと自慢気だった。

ダチョウらんど締めはダチョウ資料館だ。ダチョウの剥製、骨格標本の他、ダチョウの革を製品にするための行程が写真付きで説明されている。

ダチョウの革(オーストリッチ)は、革製品でも高級な部類に入る。ということで、今まで見てきたダチョウたちの革がハンドバックになったり、羽根がホコリ取りのOAブラシになったりするのを、この資料館で思い知らされるのだ。

そしてレストラン。低脂肪、低カロリー、低コレステロール・・・と、ダチョウは食肉としても優れていることをアピールされる。

ダチョウらんどは、こういった産業のついでに、観光産業として飼育しているダチョウを見せているところだったのだ。さすがは元祖だ。

ダチョウらんどのあゆみ
1987年〜9年イスラエルへ視察
1990年5月技術者を招き沖縄での可能性を調査
1990年10月実行決定 ヒナ100匹注文
1991年2月 アフリカ南よりヒナ到着 検疫をすませる
イスラエルより技術者集まる
寒さと経験不足にて90%死亡
1991年9月100匹入荷 60%飼育に成功
1992年4月第3回100匹入荷
1993年6月産卵が始まる
1995年ヒナを全国に販売はじめる
1995年6月繁殖牧場を大宜村東村に設ける
1997年4月今帰仁村にて観光牧場としてオープン

帰り際、パイナップルをメインとした観光スポットの側を通りかかると、窓口に列ができるほどの人気だった。個人的にはパイナップルよりダチョウを見る方が断然いいと思うのだが、こればっかりは人の好みの問題だ。しかし、沖縄でちょっとでも人と違った観光をするなら、是非「ダチョウらんど」に行くことをお勧めする。

観測史上最多の台風上陸となった2004年。沖縄のダチョウは元気にしているのだろうか。親切なオジサン共々、雨にも風にも負けずに頑張っていて欲しい。